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100年前シベリアから避難 ポーランド孤児を日本が救った…民間団体「史実知って」


1920年代前半、飢えや病気に苦しむシベリアのポーランド孤児を日本が救済した。この史実はポーランドで語り継がれる一方で、日本ではほとんど注目されていなかった。それから100年。当時孤児らが立ち寄ったゆかりの地などで、光を当てる動きが出ている。関係者は「人道的な支援への理解を広げたい」と願う。(桑田睦子)

両国の歌合唱
天王寺動物園でゾウの背中に乗せてもらって喜び、大阪城に見ほれた……。ちょうど100年前、シベリアを逃れて大阪市立公民病院(当時)の看護婦寄宿舎に身を寄せた孤児らは、大阪の街で心身の疲れを癒やした。神戸港から帰国のために出港する際には、日本とポーランド両国の歌を合唱し、別れを惜しんだという。


ポーランドは、1917年に起きたロシア革命の翌年に独立したが、長年にわたって独立運動にかかわったポーランド人らは流刑でシベリアに送られていた。革命後の内戦で東へと逃げ、ウラジオストク近辺に15万~20万人が避難。飢えや寒さで亡くなる人が多く、親を失う子どももいた。

現地のポーランド児童の救済会が、子どもらを母国に戻そうと、シベリアに出兵していた国々に援助を頼んだ。日本は要請に応え、日本赤十字社の協力で救済事業に乗り出した。

救済は20~21年の第1次、22年の第2次があり、計763人がウラジオストクから船で敦賀港(福井県敦賀市)に上陸。第1次の375人は東京、第2次の388人は大阪に滞在して治療を受けるなどし、米国や英国を経由して国に戻った。

服や絵本を寄付
お金や子ども服、ビスケット、絵本など、第1次では568件、第2次では884件の寄付が企業や学校、団体などから集まった。

ポーランドでは「独立のために戦った英雄の子どもたちを日本が助けた」と語り継がれ、阪神大震災、東日本大震災の後には恩返しにと被災地の子どもがポーランドに招かれた。パベウ・ミレフスキ駐日大使は「救出は日本とポーランドの友好関係を永遠につなぐきっかけになった」と話す。

ゆかりの地で催し
孤児らの上陸地点の近くにある敦賀市の資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」は7~9月、100年を記念した企画展を開いた。大阪で身を寄せた寄宿舎から見えた通天閣を、後に「ミニチュア版のエッフェル塔」と懐かしんだ元孤児の思い出などをパネルや資料で紹介。会期中には約4400人が訪れた。

11月には敦賀市や兵庫県姫路市など3か所で孤児救済をテーマに、敦賀到着の場面などを盛り込んだバレエ公演が開かれ、両国の子どもらが共演した。

第2次の孤児が出国した神戸港がある神戸市では、民間団体「日本ポーランド協会関西センター」が8月末にポーランドとオンラインで結んで孤児救済の歴史と国際親善についての講演会を開催。藤井和夫代表は「日本にとって初めての組織的で国際的な難民救済で、市民の関心が支援につながった。今こそ多くの人に知ってほしい」と話す。

社会福祉法人「 福田ふくでん 会」(東京)は、第1次で来日した孤児を世話した。同会育児院史研究会の村上葵さん(30)らと救済の歴史を調べ、昨年12月に「ポーランド児童救済事業の記録」にまとめた宇都栄子・専修大名誉教授(日本社会福祉史)は「戦争などで生活が破壊され、子どもたちがそのしわ寄せを受けることがあってはならない。1世紀前の史実を知り、孤児を生まない社会的な支援や努力を考えてほしい」と語った。

参照)読売新聞 12月4日
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20221204-OYO1T50003/amp/

追記)12月25日
読売の英字新聞 The Japan Newsに掲載されました。
https://japannews.yomiuri.co.jp/society/general-news/20221224-79364/

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