ニュースリリース

三春とブータンで花卉園芸の実地研修

2016年にも三春とブータンの間で人の交流が予定されていますが、まず2月末から3月にかけては特に病害虫被害の予防についての現場研修を目的に、2人の種苗・造園専門家がティンプーを訪れてブータン側から大いに歓迎されました。
初夏にはまた、2人のブータン人研修生が福島での現場体験のために1ヵ月ほど来日することになっています。
三春の花卉園芸専門家らとJICAプロジェクトの事務局では、ブータン農林省の担当者たちと相談して、この共同事業をどのように将来につなげるかという構想を立てました。
それは、今回のプロジェクトが終了する2017年3月までに、ティンプー市の郊外に日本式庭園の「三春ガーデン」を作り、三春町内にはブータンの自然環境をイメージした「ブータン・ガーデン」を設営する、というものです。
その過程で、花卉園芸と造園技術を学ぶブータン人の専門家たちがさまざまな実地経験を積み、「日本人の自然観と庭作り」の伝統に少しでも多く触れてもらうのが目的です。
また2016年の5月には、パロのウゲン・ペルリ宮殿に隣接する広大な敷地で開催される「ブータン花の博覧会(Royal Bhutan Flower Exhibition 2016)」に、このJICAプロジェクトを通して三春や福島の専門家が参加、仮設の日本式庭園と「あずまや」で華道や茶道、盆栽づくりのデモンストレーションをする計画も進んでいます。
三春滝桜が結んだ草の根技術協力の関係はまだ始まったばかりですが、今後ブータンの都市緑化を担う人材を育てることに寄与して、10年後、20年後にはティンプーをはじめ国中で公園や緑地の整備が大幅に進むことを、両国の関係者は期待しています。
 
ちょうど2016年は、1986年に日本とブータンの間に正式な外交関係が樹立されてから30周年という記念の年にあたります。
3月3日の記念植樹は日本外務省から「30周年記念事業」と認定され、ブータン農林省が主催して正式な記念式典として挙行されました。
今回ブータンに献樹されたのは、三春町の桜守が滝桜のタネから丹精込めて育てた苗木12本と、2015年の初夏に三春町の小学生たちが拾い集めた滝桜のタネ30粒ほど。
苗木のうち3本が記念植樹され、それぞれの横には「外交関係樹立30周年」を記念するプレートが設置されて、三春町とブータンの友好関係がどのように始まったかということも英語で説明しています。

2016年3月3日に植樹された滝桜の苗木の横には、「外交関係30周年記念」のプレートが設置されて、三春町とブータンの友好関係についての説明も